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link ピカソは、永遠にわからない。 ピカソは、永遠にわからない。 (2024/3/28 15:06:10)

feed エッシャー「バルコニー」 (2007/7/9 2:50:56)
バルコニー江戸川乱歩の小説に「鏡地獄」というのがある。幼い頃から鏡の持つ魔力にとり憑かれていた男がいた。男は親の遺産を相続したあと、大金を投じて内側が鏡となった奇妙な球体を作らせる。そして電球を抱いて球体の中に閉じこもるのである。球面鏡に映し出された光景は、奇妙に歪んでいる。空間が歪んで、正面からは本来見えない部分まで見えてくる。 ...

feed エッシャー「天使と悪魔」 (2007/7/4 15:41:33)
天使と悪魔宇宙を天使で満たすことはできない。天使の隙間には、必ず悪魔が存在する。宇宙を悪魔で満たすこともできない。悪魔の隙間には、必ず天使が存在する。天国と地獄は表裏一体のものであり、天国を見ようとすれば天国だけが見えるし、地獄を見ようとすれば地獄だけが見えてくる。天国と地獄は、そこに同時に存在しているのである。天使と悪魔が円の端 ...

feed ポール・セリュジエ「にわか雨」 (2007/6/24 12:53:00)
雨を描いたヨーロッパ絵画は少ない。雨を描くことによって何事かの詩情を込めるという手法は、映画の時代に入って使われるようになったように思う。日本の浮世絵には、よく雨が描かれている。ゴーギャンの手ほどきを受けたポール・セリュジエは、浮世絵のなかにある雨と女と詩情とでもいった、湿気のあるテーマに惹かれたのかもしれない。セリュジエの「にわ ...

feed リチャード・ダッド「妖精の樵の見事な一撃」 (2006/12/13 22:42:27)
精神の訝しくなった人も、一日中狂っているというわけではないらしい。幻影に脅かされたり、時に正気に戻ったり、此岸と彼岸を行ったり来たりしているのかもしれない。天才と狂気の関係については、心理学者の宮城音弥著「天才」に詳しい。激しい狂気こそが天才を引き起こすという見方もあると思うが、たとえば天才と狂気は一人の人間の中に別々に存在してい ...

feed オディロン・ルドン「仏陀」 (2006/12/9 18:39:48)
日本書紀には「異国の神はきらきらし」という記述があるが、ここでいう異国の神とはホトケ、すなわち仏像のことである。きらきらしという表現から、金箔が全身に張りめぐらされ、眩しいほどに輝いていた仏を想わせるが、表面の輝きだけではなく、ふくよかな顔に神秘的な笑みをたたえた様子に、当時の日本人は、なんともいえない神々しい光を感じたのかもしれ ...

feed ルネ・マグリット「恋人たち」 (2006/11/30 9:25:08)
たとえば恋人を持ったことのない人は、恋人という言葉を聞いてどんな顔を思い浮かべるのか。あるいは幼い頃に母を亡くし、顔を思い出せない人の、心の中の母はどんな顔をしているのか。マグリットの場合、13歳の頃に母親を亡くしたといわれる。母は家の近くの川に入って死んだ。数週間後に発見された母の顔は、ぺったりと夜着に覆われていたともいわれる。真相 ...

feed ルネ・マグリット「人の子」 (2006/11/29 4:54:39)
聖書によると、イエスも自分を「人の子」(The Son of Man )であると語っていたらしい。人間には原罪があるという。神は、エデンの園にある様々な木の実を食べることを許していたが唯一、善悪の知識の実だけは食べることを禁じていた。「神は知識の実を食べて世界を創造する方法を知ったのですよ」アダムとイヴは蛇にそそのかされ、神の命にそむいて禁断の木の実を ...

feed エゴン・シーレの描く肉と骨の魅力 (2006/11/27 4:28:51)
泣きながら描かれたような女の線の魅力がある。エゴン・シーレの絵は、身を掻きむしるような文学、それも死に絶えた私小説という感じがする。貧相な体だが、女の肉と骨の魅力がある。絵に匂いがあるとすれば、(なま)の女の濃い体臭。シーレのデッサンは、血と肉をなすりつけるようなデッサン。シーレにとって筆を走らせることは、女の体を撫でることと同義 ...

feed エッシャー「上昇と下降」 (2006/11/24 7:07:11)
Ascending and Descending建物の屋上に回廊がある。外側を右回りに移動する人たちは、永遠に上昇を繰り返している。内側を左回りに移動する人たちは、永遠に下降を繰り返している。死後の世界に存在するかのような不気味な無限回廊のようである。ここに迷い込んだ人たちは、永遠に歩き続けなければならないようだ。エッシャーは「ペンローズの階段」をもとに、この絵 ...

feed ルネ・マグリット「アルンハイムの地所」 (2006/11/22 16:26:01)
「アルンハイムの地所」は、米国の作家E.A.ポーの同名の短篇小説に触発されて描いたといわれる奇妙な絵。石の欄干の上に卵を抱く鳥の巣があり、背景には猛禽類のような形をした岩山が広がっている。同じマグリット作の「千里眼」という絵のように、卵の未来が背景に映し出されているのか。あるいは卵の持つポテンシャルが岩山に滲み出しているのかもしれない。 ...